shinmaimanaのブログ

作業療法士で左片麻痺の障がい者でもあります、両方の視点を持つからこその事が書いていければと思います。

バリアフリーがバリアを作る(片麻痺になると床からの立ち上がりって大変)

左半身が麻痺してリハビリテーション専門病院に1年程入院して退院したのですが。

入院中、一時退院等で自宅での生活のイメージは出来ていたつもりだったものの、なかなか退院してから生活が軌道に乗るまでには時間がかかりました。

退院前に身体障碍者手帳を利用して住宅改修、玄関に収納式の椅子を付ける、階段と浴室に手すりを取付る等は工事済みでした。

ベッドと浴室用のシャワーチェアも購入し整った環境の中であれば不自由はなく過ごせました。

バリアフリーがバリアを作る』なんて言葉がありますが、整った環境の中である程度安全に生活出来るようになったらいろいろ出かけてみるものですね。

子供の小学校行事に行った時は、なかなかに色々と考えさせられました。

どんなところでも靴の脱ぎ履きが出来ないと困る、階段は手すりが無くても昇り降り出来ないと他の人の邪魔になる、ある程度小スペースで床からの立ち上がりが出来ないと混雑している状況では座れない。等々いろいろ学びました。

この中でも特に床からの立ち上がりは試行錯誤して、不自由なくできるまで随分苦労しました、一般的に麻痺側足裏を付いて、膝を立てて(足ゆびも付くように膝立ち)、麻痺していない側の脚の膝を付き、麻痺していない側の手で安定した椅子などにつかまって立ち上がる訳ですが、つかまるものが無い状況で出来るようになるにはしばらく練習が必要でした。

体幹と股関節周囲筋がしっかりしていれば動作が容易になると考えてトレーニングしつつ、生活場面でも椅子は使わないようにして床から立ち上がる機会自体を増やすようにして繰り返し練習しました。

体幹が安定してきたのが感じられてくると、椅子などなくても床に麻痺していない側の手を付いて立ち上がれるようになると生活の幅が広がった様に思います。床に両ひざを付いて膝立ちになったら、麻痺していない側の脚だけでまず立ち上がり、麻痺側の脚はゆっくり伸ばせば、手を使わなくても床から立ち上がれるようになりました。

床から立ち上がれるとベッドを使う必要もなくなり、今は子供たちにはさまれて布団で寝起き出来ています。

さらに、私は北国在住なので雪道で転んだりした場合、滑らない足場を見つけさえすればすぐに立ち上がれる自信が有る事は冬場に外出する際には非常に心強かったりもします。

不自由を解消する努力をしたら付加的に得られたものが同じくらい多かったです。