脳科学者さんの著書【努力不要論】を読んで発達障害について考えてみました
脳科学者、中野 信子著 【 努力不要論 】 フォレスト出版です
この本は自分の為にも読んで良かったと思います、
発達障害の子供の為にも読んでよかったと思いました。
自分の才能の見つけ方について書かれている部分が有るのですが、これが非常に面白いです。
まず、短所=才能かもしれないというのです。
例えば、短所としてみれば 【ものが覚えられない】
「また忘れ物をして」って感じで,
同じことを何回も言わないといけないですから少し困ってしまいますが、
これも才能としてとらえられます、
忘れるという機能は精神的な安定や運動学習の最適化に重要な役割を果たしているというのです。
これ、発達障害の有無にかかわらず育児にあたっては覚えておくと得ですよね。
ちょっとの忘れ物の代わりに運動能力が高くなる可能性があるのかもと思えれば、忘れ物にそんなには腹が立ったりしにくくなります。
能力的に高い事が集団から排斥される理由についてもわかりやすく根拠をもとに説明されていました。
優秀であることでその人が、集団の義務を免除されたり、協力構造に力を貸さない可能性が有る。
優秀な人だけがみんなの協力構造に『ただ乗り』する状態が起きてしまう。
協力構造に『ただ乗り』している人が集団のために払うコストはゼロ、集団から得る利益はプラス。
一方集団内の残りの人達は協力構造があることによってプラスの利益を得ていますが、払うコストはゼロではないので。
『ただ乗り』している人の利益から集団内の残りの人の利益を引き算すれば『ただ乗り』したほうが明らかに得となります。
するとこれまで協力し合っていた残りの人が次々協力する事をやめ『ただ乗り』したがるようになる。
一人の逸脱した個体の為に構成員がすべて協力行動を拒否するようになり、集団内の協力は、あっけなく全員が非協力という状態にまで破壊されてしまう。
逸脱者を排除したほうが有利に生き延びることができたので、現在の人間の脳は逸脱者に勝手に反応してしまうのだと考えられています。
優秀であることも集団においては排斥される理由になりえる。
ならば、自分の才能を見極めて、戦略を立て必要な事を実行する。
シンプルですがこれが出来ていない場合って多い様にも思いました。
良く知られているエジソンの名言『1%のひらめきと99%の努力』をこれほど誤解されている言葉も珍しいと思いますが、として紹介しています。
エジソンの真意としては99%努力しても1%のひらめきがなければ無駄ということが言いたかったのだといわれていますと紹介されております。
まさに『自分の才能を見極めて、戦略を立てて必要な事を実行する』事が大事って事ですね、やみくもな努力信仰におちいらないために読んで良かった本でした。
インパクトの強いタイトルの本書ですが良い内容なのでたまに繰り返し読みたくなります、脳科学者さんの著書ではありますがわかりやすく読み易いので引き込まれます。
発達障害についての著書ではありませんし、私が発達障害関連の本を読んでいていろいろ調べるうちにおもしろそうだと読ませていただきました、結果偏った紹介内容になっておりますが他にも興味深い部分、学びが非常に多かったぜひともおすすめしたい一冊です。
発達障害関連本の紹介です(こちらは発達障害についての本です)。
発達障害関連本の紹介です(こちらは発達障害についての本でも小説)。