shinmaimanaのブログ

作業療法士で左片麻痺の障がい者でもあります、両方の視点を持つからこその事が書いていければと思います。

立ち上がり、移乗動作で介助する側、される側双方で力のベクトルを一致させよう

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立ち上がり、移乗動作(トランスファー)介助の際に力任せに行ってはならない理由についてですが。

介助の際に力任せに行ってはならないと記載しましたが、本来なら力任せの介助にはならないはずなのです。

立ち上がり介助の一つの理想としては、患者さんが立ち上がろうとして、立ち上がれなかったなら、なぜ一人で立てなかったのか?その理由の判断が出来なければ本来介助は出来ないはず。出来ない部分を最小限のサポートで補うのが良いかと思います。

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介助が必要な部分の見極めなしに、(業務の忙しさ故か?または単なる怠惰か?知識の不足故か?)介助してしまうことが力任せの介助になる原因と思われます。

ここに見え隠れするのは、患者さん主体ではなく、サービスを提供する側が主体になっている状況ですね。

当然決まった時間までに終わらせなければいけない業務は有ります。

例えば患者さんにベットから起きてもらって車椅子で食堂への誘導する事を考えれば。

急がなければ患者さんもゆっくり食事がとれない。

厨房など他の部署にも迷惑がかかるなど。

複数の要因を考えてしまいどうしても急がざるをえない状況になったりするのは当然理解出来ます。

なぜなら私も介護保険が始まった年から介護、医療畑でずっと仕事してきましたから。

忙しくて大変な現状がわからない訳がないのです。

 

それでも忙しさに負けて力任せの介助を習慣化して欲しくないのです。

なぜなら、一時のスピード以外に得るものが無いからです。

患者さんと介助者の力のベクトルが一致していないわけですから。

最悪の場合、力のベクトルが綱引きのようになります。当然これでは患者さんにも介助者にも負担は大きいです。お互いに腰を痛めたりもします。

患者さんの認知機能面の問題等で意思疎通が十分に得られない場合は当然有ります。

その場合でも、セッテイングに配慮するなど可能な事は多く有ります。

工夫して意思疎通して介助負担を軽減するとともに、患者さんの残存機能を可能な限り活用する事が出来れば、少しずつでも生活自立度が向上に向かって行くのですから、リハビリテーション専門職だけが訓練室のみでいくら訓練をしても非効率的です。

 

で、現状私、リハビリテーション専門職として働いていますが、自身が片麻痺の状態なので、立ち上がり、移乗動作の介助は口頭指示にセッティングを駆使して、本当に足りない部分だけを介助するようにしないと、患者さんと力のベクトルが一致しなければ目的動作が達成できないのです。

いざとなったら腕力で支えればってのも私には難しいので、バランスを崩すとしたらどちらにどうかと一歩先のリスクも予測して動かなくてはなりません。

介助量も減らせば減らせるものです。

周りのスタッフから見れば、えらくまわりくどいやり方をしているようにしか見えないみたいで反発も多いのですがね。

最後に愚痴っぽい事をかいてしまいましたが、一時はまわりくどいとしても、患者さん主体の介助であることが必須で、将来的に患者さん自身で出来るようになるための支援としての介助でなくては意味がないと思うのです。