shinmaimanaのブログ

作業療法士で左片麻痺の障がい者でもあります、両方の視点を持つからこその事が書いていければと思います。

機能的なリハビリテーションが生活に反映されないとって話でした。

介護保険法改正前に通所リハビリテーションに月一回を限度として訪問指導等加算というサービスが有りました。通所リハビリテーションの利用者さん宅をセラピストが訪問して実際の生活状況について実際に詳しく調査するというものですが。

これ実際に利用者さんと一緒に自宅を動いてみると生活上の危険が見えたり帰ってから、現状の機能ではあの段差や傾斜は危険すぎるので、手すりなど環境整備の工夫は出来ないかとか、現状屋内で使用移動機器について検討したりしている担当のケアマネジャーさんに相談したり等々意義が大きいサービスだと感じていました。

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現在法改正され、介護度のついている方がデイケア等利用する際には、利用中の利用者さんが要介護状態になった、新たに要介護状態の利用者さんがそのデイケアを利用するようになった場合、家屋調査は行わなければならないものとセットメニューとして組み込まれています。

住環境自体はそう大きく変化するものではないので現状の制度でも最初にしっかり家屋状況を把握しておけば問題はないのですが。

 

訪問リハビリテーションと通所リハの良いとこ取りの様な、通所リハ訪問指導等加算のサービスが実質無くなった現状は、訪問リハと通所リハの双方でそれなりに長く仕事をした作業療法士の私としては、これこそ訓練で向上した機能を実際の生活場面へ定着させる事に貢献できる多くはないサービスの一つなのにと、少し残念に思ったりしています。

 

利用者さんの実際に生活している住環境を理解しておくことは重要と思います。

それは前提として、転倒、つまずきが多い等の危険な様子がうかがえたら、担当ケアマネジャーと連携して同行訪問して場合によってはその場で手すりを付けるためにすぐに動くことができた以前の加算形式のスタイルにもメリットは有ったなと思いましてね。

※現状でも計画書に問題点に対して訪問の必要性ありとか記載できるようにはなっていますが、あらためて実際必要なので連携して訪問したいとは単品のメニューが無いと担当医師や上司にも言いにくかったりはします。『必要だと思うので訪問してきても良いですか?単位数はつかないのでボランティアになりますが』って事になります。

 

まぁうちの事業所のようにセラピスト一人体制では、あらためて住環境が気になったからといって、なかなか出れるものでもありませんが、訪問指導等加算というサービスはデイケア勤務のセラピストが必要性に応じて訪問リハ的なサービスを提供出来る数少ないものであったと思うのです。

デイケア等でせっかく訓練した事でも、実際の生活場面に反映せれなければ本当の意味で有効とはいえないですからね。

このようなサービスは可能な限り有って欲しいですね。